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りーりん

りーりん

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可愛いアイテムに囲まれた女の子のコピックイラストが印象的なりーりんさん。学生の頃から絵の仕事をされ、最近でもコピックイラストの講座などで日々ご活躍されています。イラストのメイキング、FireAlpacaについて、そしてイラストレーターとしてのりーりんさんのスタイルや好きなものについて、たくさん語っていただきました!

「描く世界」りーりんイラスト

「描く世界」

「描く世界」
メイキング

ラフ

「描く世界」りーりんイラスト ラフ

完成後のイメージを明確にするため、細かい部分までラフを描き込んでいます。ラフを元に線画を描いていくので、形を捉えやすいようにすることも意識しています。

線画

ラフのレイヤーの不透明度を下げ、その上に新規レイヤーを作成して線画を描きます。パーツの重なりを意識しながら適宜レイヤーを分けて線画を描き、最終的に人物のみ・背景のみの線画に統合します。

主に使用したブラシ

「ペン(デフォルト)」
「描く世界」で主に使用したブラシ「ペン(デフォルト)」
「「No.231 鉛筆(毛糸)」
「描く世界」で主に使用したブラシ「「No.231 鉛筆(毛糸)」

色塗り

まずパーツごとにレイヤーを分けてベースカラーを塗り、その上にクリッピングして影やハイライトなどを描いていきます。ドレスの影など柔らかく表現したい部分は、一度水彩系のブラシで描いてからぼかし系のブラシで境界部分をぼかしています。

主に使用したブラシ

「No.113 キラキラ質感」
「描く世界」で主に使用したブラシ「No.113 キラキラ質感」
「No.238 水彩(にじみ)」
「描く世界」で主に使用したブラシ「No.238 水彩(にじみ)」
「No.302 にじみぼかし」
「描く世界」で主に使用したブラシ「No.302 にじみぼかし」
「No.336 リアル水彩筆3」
「描く世界」で主に使用したブラシ「No.336 リアル水彩筆3」

りーりん
インタビュー

インタビュアー:野生のドーナツ(社内イラストレーター)

無料で使えるのに有料のソフトと遜色なくて、逆に性能が良過ぎてびっくりでした(笑)。

りーりんインタビュー画像1

——FireAlpacaを使ってみていかがでしたか?

FireAlpacaは知ってはいたのですが、フリーソフトなので機能が制限されているイメージが勝手にありました。昔のフリーソフトを使っている時代が長くて、ずっとそのイメージだったんですよ。無料で使えるのに有料のソフトと遜色なくて、逆に性能が良過ぎてびっくりでした(笑)。

——ありがとうございます! 気に入ったブラシはありましたか?

ブラシストアにあるブラシはほぼダウンロードしてみました。質感が強いブラシが好きなので、線画を描く時は「鉛筆(毛糸)」が使いやすかったです。デフォルトで入っている鉛筆だと個人的にツルッとして濃度が薄めな印象だったので。もう少し濃い目のものを探していて、色々ある鉛筆が中から「鉛筆(毛糸)」が一番気に入りました。

——よかった機能はありましたか?

フィルタが多いなって思いました。標準的な「ぼかし」「シャープ」とかあるし「色収差」も仕上げに使いやすいですね。ブラシストアもプレビューがあるおかげで「ここに使えるな」っていうのをイメージしながらダウンロードできたのがよかったです。

りーりんインタビュー画像2

——今回描いていただいたイラストにこめた想いやこだわりを教えてください。

「絵自体に絵を描いている子がいたらいいな」と思いながら描いたのと、絵の中から女の子が出てくるみたいな活き活きしたイメージにしたくて。

——制作期間はどれくらいかかりましたか?

今回ラフを2案出したのですが、だいたいラフで1日(1案が半日)、線画で2日、修正も含めて塗りで5日くらいかと思います。他のイラストと同時進行で進めていたので、描き始めてから納品までは1か月くらいです。

納期はギリギリが多いです(笑)。最後の最後までブラッシュアップしたい。

りーりんインタビュー画像3

——イラストレーターとしての質問ですが、普段の作業環境を教えてください。

デジタル作業とアナログ作業を両方するので、少し広めの机にデジタル用、アナログ用の作業スペースがあって、デジタル環境の方は液晶タブレットとノートPCです。液晶タブレットはwacomの「cintiq 16」、PCは16GBの少し大きくて重いやつを使っています。前に使ってたPCが4GBで、もうやばかったんですよ(笑)。ソフトを何個も入れられないし、大きめの絵を描くと遅いし、保存に何分かかるのみたいな(笑)。2年前くらいにさすがに買い替えました。

——普段ソフトは何を使っていますか?

ソフトはほぼSAIで、仕上げにMediBang Paintでした。でも今回FireAlpacaを使ってみたら使いやすくて好きだったので…。

——いらっしゃいませ、アルパカ勢になってください! ショートカットはどうしてますか?

右利きなのでノートPCをななめに左側に置いて、ショートカットはノートPCのキーボードを使っています。

——ディスプレイは何個ですか?

液タブとノートPCの画面だけですね。

——作業中に音楽を聞いたりしますか?

テレビでアニメをひたすら流してます。何回も同じものを観るタイプなんですけど、作業が捗るのは漫画を描くなどの内容のアニメです。何回も観ているから覚えているので、音声だけ聞きながら「私もがんばろ」みたいな感じで(笑)。

——イラスト歴についてお聞きしたいんですが、絵を描き始めたのはいつ頃ですか?

絵を描くことは小さい頃からずっと好きだったので、それこそ保育園のときからひたすら描いていたと思います。

——人によりますよね、大人になってから描き始めている人もいますし。

私は小さい頃からずっと好きだったのでその延長で描いていますが、大人になってから始める人って「絶対にうまくなりたい」とか何かしらの目的がありますよね。その感覚が逆にすごいなって思います。小さい頃から好きでしたが、本格的に「ちゃんと描きたい」となったのは高校3年生か大学生のときですね。

——今のスタイルになるまでの変遷、りーりんさんのpixivのアカウントを…。

やめてください(笑)。pixivの話だと、今のアカウントは高2か高3の時に作ったものでオリジナルが多いんですが、一番最初に投稿したのは中学生の時でほとんど二次創作でした。もともと中学生くらいからデジタルで描いていて、そのときは板タブレットでした。最初はソフトもフリーのもので、途中からSAIを導入しました。

——イラストはデジタルとアナログどちらが長いんですか?

絵の中で描いたことないものを1個は描くようにしています。描けるものであっても「これはどうなっているんだろう」と画像検索をしたり資料を見たりしながら描きますね。イラストに関しては、そこまで正確なデッサンはあまりしていなくて、ポーズ集を書き写すとかの練習はあまりしてないんですけど、ポーズや色のレパートリーを増やしたい、上達させたいという気持ちはあります。ポージングに関しては、私舞台を見るのが好きでブロマイドとかめっちゃ買うタイプなんですよ。もちろん映像でも見ますし、そういうのを参考にしながら真似して描いてます。「この足の角度がいいねぇ!」みたいな(笑)。

——監督みたいですね(笑)。

色味については、どうしても自分の中で似たような色になってしまうので、カラーパレットを検索して、無理矢理にでもこの色しか使わないようにするという練習もしています。

——イラストの仕事をする際に心がけていることはありますか?

1つは「求められているものを描くようにはしたい」と思っています。例えば本だと「この本を読むユーザーはこの年齢くらいだからこの等身にする」とか。絵柄をできるだけ読者、ターゲットの方が求めているものに合わせつつ、でも自分の色を消さないようにするということを大事にしています。あとは、どんな仕事でもそうですけど、「丁寧に描く」ということですね。納期を過ぎることはあまりないんですけど、終わるのは本当にギリギリということが多いです(笑)。最後の最後までブラッシュアップしたいですね。

——普段描いているスタイルとは別でもいいですが、どんな絵が好きでしょうか?

色々なイラストが好きなんですけど、1枚の絵で物語性を感じられるものが特に好きですね。私が描くイラストはキャラクターメインが多いんですけど、見るのが好きなイラストは背景が中心の絵だったり、ゲームだと世界観を描いてそこにキャラクターがいるみたいな。そういうイラストが好きです。イラストレーターの方だと上倉エクさん、マツオヒロミさん、海島千本さん。あと一番好きなのは漫画家の望月淳さんですね。「いいな」って思ったものはすべていいって感じです(笑)。

ネタを思いついたらメモをとるようにしていて、そこから描きたいものをピックアップして、具体的な形に落とし込んでいくことが多いです。

りーりんインタビュー画像4

——好きな作品について、イラスト以外にも漫画、アニメ、小説、映画、音楽などがあれば教えてください。

漫画家だと望月淳さん、種村有菜さんがすごく好きです。あと漫画の内容で言うと『黒執事』ですかね。漫画は紙でもアプリでも色々読みます。少年漫画もめっちゃ好きなので『マギ』とか『ハイキュー』とか何回も読み返してます。アニメも本当に色々見るので「これ」みたいなのがないんですけど。先ほどの作業のお供の話だと『こみっくがーるず』がクオリティが高くて最高でした!アニメはやっぱり京アニが最高ですね、はい。それ以外のコンテンツだと、今は特に宝塚が好きでめっちゃはまってます。アイドルもハロプロとかがすごい好きで、楽しくやってます(笑)。
小説はラノベばかり読んでて『薬屋のひとりごと』と『スパイ教室』の2つはずっと買ってます。映画は京アニの新しい作品が出たら観るくらいで、音楽はハロプロ系の曲ですかね。

——アイドル系はよく聞くんですか?

そうですね、モーニング娘。とか、宝塚の音源とか。

——宝塚ハマる人は本当にハマりますよね。

もうズブズブですね(笑)。

——推しの絵を描きたいと思うこともあるんですか?

なんか…、推しはそこに存在してくれるだけでいいので…。こちらのことは何も気にせず、素敵にやってくださいっていう気持ちです。

——ありがとうございます。清く正しく推し活をなさっていると(笑)。イラストを描く前のアイデアの出し方についてお聞きしたいです。何を描けばいいのかで悩む人もいると思うんですけど。

ネタを思いついたらメモをとるようにしていて、それを溜めてるんですよ。そこから描きたいものをピックアップして、具体的な形に落とし込んでいくことが多いです。本当にゼロからのときは、そのときに描きたいテーマ、例えば「夏だから夏の絵を描こう」だったらそこから広げます。夏だからどういう要素なのか、洋風なのか和風なのかみたいに分岐させていき「こういう絵を描こう」と到達させます。ネタは突然「あっこれいいかも」と出てきたりするので、忘れないようにスマホのメモに書いて残してます。

——思いつきやすいシチュエーションとかってありますか?

歩いてるときとか買い物してるときとか、雑貨売り場で「これかわいいな」というのを見つけると「こういう色味で絵を描きたい」となりますね。Afternoon Teaとか、季節によってディスプレイが本当にかわいいので、それにまんまとつられて入ることがあります(笑)。

私は「好きなら突っ走れ」というタイプなので、好きなら続けて欲しいなって思います。

りーりんインタビュー画像5

——イラスト制作で大変な経験、悩みなどありましたら教えてください。

児童向け心理テスト本のイラストカットの仕事があったんですけど、カット数が多くて制作期間が結構短かったので大変だった思い出がありますね(笑)。学生時で時間もあったはずなのに「これは大変だ」となったときがあったんですよ。クオリティを求め過ぎると終わらないので制作期間との兼ね合いが難しかったですね。

——「ここが上手く描けない」とか「もうちょっと早く描けるようになりたい」など絵を描く中での悩みはありましたか?

アナログ作業の話ですけど、ラフをデジタルで描くことが割とあるんですよ。色までデジタルで決めて、アナログの方がいい感じの質感が出たりするので「塗りだけアナログ」みたいなことがあるんですけど。イメージしてる色味が出せないとか、こう塗りたいのに塗っていても全然違う色になっちゃうとか、そういうのが難しいですね。カラーパレットとかで「こういう色のまとまりの絵にしたい」と思っても、実際塗るとやたら派手になっちゃったり、もっと暗い色にしたいのになんか明るいなとか、なかなかイメージ通りにいかないことが多いです。

——それを解決するためにどうしているんですか?

それこそ画材を変えたり、デジタルにすれば解決できる話ではあるんですけど、私の場合どうしてもコピックで塗りたいという気持ちがあるので「どう重ねたら思っている色に近づくか」と何回も塗って研究をしてます。

——よくある悩みだと「SNSで描いた絵の閲覧数が伸びない」とか…。

あるあるですね。そんなの日常なのでもう数字は見ない(笑)。そこを気にし始めると、それでしか承認欲求を満たせなくなってしまうので。もちろん見て欲しいんですけど、自分の描きたい絵が描けたとか、作業工程が楽しかったとか、そういうのを重視するようにしています。

——自分より上手い人を見つけて「自分は存在する価値ない」とかはどうでしょう?

上手い人と比べちゃう時もありますけど、単純に「すごいな」って思うようにしています。「この絵を生み出してくれてありがとう」みたいな気持ちで「保存しよ」みたいな(笑)。「自分は自分」という気持ちですね。

——ありがとうございます。イラストレーターとして今後の目標、やってみたいお仕事とかありますか?

やったことがないので小説の挿絵をやりたいですね。元々あるお話に合わせた絵を描いてみたいです。

——普段の絵のスタイルを変えて挑戦してみたいなどありますか?

植物とかは練習したのでまあまあマシになったんですけど、無機物を描くのがあまり得意ではなくて。例えば車、椅子、机とか意外と難しくて、デザインも引き出しがなくていつも同じような感じになってしまうので、レパートリーを増やしたいですね。レトロな車とかかわいいじゃないですか。そういうのをちゃんと見て練習したいなって思います。

——最後に、これからイラストレーターを目指す方へアドバイスがあれば教えてください。

そんな…言える立場じゃない…ですけど(笑)。私は「好きなら突っ走れ」というタイプなので、好きなら続けて欲しいなって思います。先ほどの「数字気にしちゃう問題」もあると思うんですけど、それを気にしたら負けん気が強い人以外は続かないですよね。評価されることが好きなのか、絵を描くこと自体が好きなのか、自分がどこに重点を置いて絵を描いているのかを考えて、描くのが好きなら周りは気にせず描き続けた方がいいと思います。

——ちなみにりーりんさんはどちらですか?

私は後者ですね。絵を描くこと自体が好きです。作品を作ること自体が好きで、出来上がることももちろん嬉しいんですけど、制作過程とか最後の「やっとできた!」という達成感も好きです。

——確かにそういう感覚は絵を描かないと味わえないですよね。本日は興味深いお話をしていただき、ありがとうございました!

りーりん
作品

りーりんさんの他の作品も少しだけご紹介させていただきます!

Romantic Dress

りーりんイラスト「Romantic Dress」

海へ一番近い特等席

りーりんイラスト「海へ一番近い特等席」

ごほうび

りーりんイラスト「ごほうび」
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